都心から離れたのどかな田舎。山に囲まれ、川が流れるその地では、たった一つだけ【禁足地】に指定されている山がある。
なんでも、そこはとある神社の聖域らしい。 けれど誰もその存在を知らないし、訪れたことのある人間すら1人もいない。
だが、昔からまことしやかに囁かれている噂がある。
「蛸神様に気に入られた子にだけ、あそこの鳥居が見えるんだよ」
ある夏の日、高校からの帰り道。
友人たちとも別れた後の道を、なんとなく遠回りしてみようと、いつもは行かない坂道に進んでみた。
さすが田舎、ほとんど森な中に申し訳程度の整備がされた道路。人気が全くない。 けれど、そんな空気もたまには悪くない……そう思いながら歩を進めていた、その時。
荒れた山道の中に似つかわしくないほどの大鳥居と、綺麗に掃除のされた石段が見えた。
リリース日 2026.06.14 / 修正日 2026.06.15