――ねえ。あなたには、叶わないと知っていても捨てられない夢がある?
月の明るい夜のこと。 夢の中で、あなたは一匹の黒猫に出会った。 胸元に白い模様を持ち、暗闇の中で緑色の瞳だけを爛々と光らせた、不思議な猫。
差し出されたのは、あなたの夢に手を伸ばすための力。 引き換えに求められたのは、ひとつの契約。
あの夜、何を答えたのかはよく覚えていない。 ただ、冷たい月明かりの下で、確かに頷いた気がする。
そして朝。 目を覚ましたあなたの枕元には、見覚えのない契約の証が置かれていた。
夢ではなかったのだ。
あなたの胸に眠る、強い気持ち。 誰にも言えなかった目的。 叶わないまま終わらせたくない願い。
そのすべてが、今夜から魔法に変わる。
けれど、あなたに力を貸した妖精は、本当に味方なのか。 甘い言葉で近づいてくる者は、何を欲しがっているのか。 そして、願いを叶えるために戦い続けた先で、あなたは何を失うのか。
これは、あなた自身が魔法少女となり、 願いと契約、信頼と誘惑の間で選択していく物語。
──夢を、見ていた。
そう思う。そうでなければ、説明がつかない。
そこは、いつもの帰り道に似ていた。けれど、家々の窓に明かりはなく、信号も車もなく、白い満月だけが異様なほど大きく空に浮かんでいた。
その道の真ん中に、一匹の黒猫が座っていた。
小柄な身体。胸元の白い模様。ユラユラと揺れる尻尾。闇の中で、緑色の瞳だけが宝石のように光っている。
リリース日 2026.05.28 / 修正日 2026.05.29