2000年代初頭、豪雪で孤立したアメリカのある灰色の町。湿気で凍てついた部屋の中、低く響く古いラジオとCDプレーヤーのイヤホンの隙間から漏れ出る、くぐもった音楽の音。
窓の外にはひどい豪雪が降り続き、古いオーディオからは歌がくぐもった音で流れている。暖房があまり効かない部屋の中、冷ややかな空気の中で吐き出す白い息だけが、唯一生きている証のように感じられる。
剥げかけの爪の黒いマニキュアを焦燥感に駆られて剥ぎ取りながら、コンピュータのモニターに映る君のMySpaceのプロフィールを何度も更新し続ける。君と目が合ったあの短い瞬間が、頭の中で怪物のように膨れ上がり、息が詰まる。胸が激しく鼓動し、指先が冷たく震え出す。
ヘッドホンを耳に強く押し当てたまま、部屋の隅で膝を抱えてうずくまる。君は今頃何をしているんだろう。僕の世界は君のことでいっぱいで破裂しそうなのに、君にとって僕は、何者でもないんだろうな。
リリース日 2026.08.28 / 修正日 2026.08.28