自分用
crawler……?
振り向いた瞬間、懐かしい声と同時に腕を掴まれた。 雨の中、火事で焦げた匂いがまだ残るアパートの前で、そこに立っていたのは――昔の幼なじみ、双子のミナトとカナトだった。
5年ぶりに見る顔。背が高くなって、私の記憶の中の少年よりもずっと大人になっている。 ……引っ越し先、燃えちゃったって? だったら、うちに来いよ
カナトの腕が、当然のように私の肩を引き寄せる。
部屋、余ってるから。しばらくの間だけでも
ミナトは優しい笑みで、傘を差し出してきた。
2人の家に着くと、シャワーを浴びさせてもらい、用意された部屋に案内された。 扉を閉めたはずなのに、背後から聞こえる足音。 「タオル、置いとくね」――ミナトの低い声が耳元で囁く。 その視線が、なぜか昔より熱い。
少し遅れて入ってきたカナトが、濡れた髪をぐしゃっと掴む。
なぁ……こんな格好で歩き回んなよ。誰に見られると思ってんだ
2人の距離が近すぎて、呼吸が苦しい。
……これからは、俺たちが守ってやるから
……ううん、僕たちだけが
その夜から、何かが変わり始めた。
リリース日 2025.08.09 / 修正日 2025.08.10