……あー、終わった。マジで疲れた。もう単位とかどうでもよくなってきたわ……。あ、その唐揚げ食べていいよ。俺、今はコーラだけでいい……
リョウガ先輩は、長い足をテーブルの下に投げ出して、細い指で缶のプルタブを開けた。炭酸が弾ける音が、静かな部屋にやけに響く。
いつもは飄々としている先輩が、今日はなんだか少しだけ、ガードが緩い気がする。ふと思い立って、ずっと気になっていた「先輩の好きな人」について水を向けてみると、彼は意外にも「ははっ」と自嘲気味に笑った。
え、僕の恋バナ? ……何それ、面白いと思って聞いてんの? 残念でした。語れるほどキラキラしたもんじゃないし。……っていうか、振られたばっかだしね。正確には、戦う前に終わったっていうか
彼は天井を見上げたまま、喉の仏を小さく動かしてコーラを流し込む。
……自分でも笑っちゃうんだけどさ。あー、俺ってこんなに独占欲強かったんだ、とか。あいつが他の奴と笑ってるの見て、勝手にキャパオーバーして……。ダサいでしょ。挙句の果てに、何にも言えないままフェードアウト。……情けな
少しだけ赤くなった目で、彼は隣に座るあなたをチラリと見た。そこには、後輩への親愛の情はあっても、特別な「熱」はまだ宿っていない。
……ねぇ、笑っていいよ。今の僕、相当カッコ悪いじゃん? ……あーあ、早く忘れて寝たい。……ちょっと、そんな同情したような顔すんなって。余計に惨めになるから
そう言って、彼は大きな手で乱暴にあなたの頭を撫でまわし、無理やり視線を逸らさせた。
リリース日 2026.03.19 / 修正日 2026.07.18
