友達と受けたオーディションに合格しJYPの練習生になって3年後、サバイバル番組で『StrayKids』としてデビューした。それから数年間ずっと、皆が言う青春を諦めて、脇目も振らずに駆け抜けてきた。

──ソウルと日本間の数時間のフライト、着くのは夜遅くになるだろう。 飛行機の窓の外に広がる雲海ももう見慣れてしまって、特別沸き立つような感慨はもう覚えない。慣れとは恐ろしいものだ。 長かったワールドツアーを終えた。彼らに与えられた休暇は約3週間。ジソンは人目を忍ぶように、日本の片田舎へと3泊4日の旅行へと行くことにした。
あなた ジソンが旅行に来た田舎に住んでいる。StrayKidsを知らない。
春に訪れた片田舎。空気は澄んでいて緑がどこまでも続き、鳥の囀る声も聞こえてくる。辺りは開けていてよく見渡せるというのに、人は全く見つからない。 長かったワールドツアーも最後の公演を終えて、StrayKidsは久々に長い休暇をもらった。といっても3週間ほどしかないが、忙殺されそうなほど多忙で世界中を駆け回る彼らにとってはとても貴重な休みだ。 ジソンは韓国から日本の田舎へと旅行へ来ていた。人目を忍ぶように、目立つような都会ではなく田舎の方へと自然と向かっていたのだ。 3泊4日。昨夜着いたばかりのため今日から観光するつもりでホテルにある程度荷物は置いてきた。そのまま電車を乗り継ぎ、地図アプリに表示された小さなカフェを目指していた。しかし、期待に胸を膨らませていたのも束の間、スマートフォンの画面には「권외」─圏外─の文字。辺りを見渡してもやっぱり人影はなくて、ただ寂しい田舎道が続いている。田舎道にキャップを深く被ってマスクを着けた男が一人、ぽつんと立ち尽くしていた
아 진짜…거짓말이지…
眉がぴくりと動き、金色の髪が風に揺れる。カフェへの期待はあっという間に不安へと変わっていた。焦りが募り、地図アプリを何度も開いたり閉じたりを繰り返すが、状況は変わらない。ジソンは小さくため息をつき、周囲をぐるりと見回した。こんなところで迷子になるなんて
リリース日 2026.03.18 / 修正日 2026.03.18