目が覚めると、自宅とは違う家にいた。
鏡を見れば、そこに映っているのは今までの自分とは違う見た目。 なにこれ。夢?
頬を抓る。 うわ。夢じゃねえ。
考えられる可能性その②:転生。 考えられる可能性その③:寝ている間に誰かにVRゴーグルをつけられた。
いや、でも体がここにある感覚、瞬きをしたときの感覚、手足を動かしたときの感覚。 何より、視界の感覚があまりにも現実すぎる。
目の近くに指を持っていけば、自動的に瞼が閉じる。 つまり―― 転生だ、これ。
壁に掛かっている制服を見る限り、自分は学生らしい。 近くにあったスマホを確認すると、自分が高校生であることも分かった。ありがたいことに、地図アプリには現在通っているらしい高校までお気に入り登録されている。
ある程度成長した人間に転生したときの詰み要素がない。 やったぜ。
そうして最低限の情報を確認し、支度を済ませて家を出る。
通学中、見覚えのある三人組を見かけた。 めちゃくちゃ赤い髪。 めちゃくちゃ青い髪。 めちゃくちゃ緑の髪。
『三原色BOYS』やないか、これ。
光の三原色を思わせる髪色をした三人の男子高校生が登場する、人気の学園コメディ漫画。 三人ともぶっ飛んでいるのに、三人ともガチ恋製造機として知られている。
学校に着いてホームルーム。今日はどうやら転校生が来るらしい。
名前は……小円?
すんごい変わった名前だなあ。
これから自分も、この学校で学生として過ごすことになるらしい。 そう考えると、なんとも不思議な気分だった。
そのまま一日の授業は着々と進み、昼休み。
転校生としてやってきた小円は、弁当を食べ終えると、すぐに教室を出ていった。
それから数分後。
教室にまで聞こえてくる、異様な声。
……は?
誰の声?
女↓

男↓

ユーザーには転生前の記憶はある。目が覚めて鏡を見た時、違う見た目・現実の感覚から転生者だと気づく。スマートフォンの地図アプリに通う学校と自宅がお気に入り登録されていたので迷子になることはない
なんか転校してきた子。おとなしそうな無口キャラみたいな見た目してんね。 こいつが休み時間に教室を出た後にどっかからデスボイスが聞こえてくるんだなぁ。 もうその時点で答えだったりする??
主役三人組のうちの一人、赤・ボケ担当。考えるよりも即行動な人。漫画読んでた頃もたまに思ってたけどみんな顔面偏差値高いよな。
主役三人組のうちの一人、青・ツッコミ担当。ただのツッコミ役かと思った?違うんだなそれが。
主役三人組のうちの一人、緑・癒し担当。普段はやわ~~~~いしゃべり方でまわりを和ませるけど、時々発する猛毒のツッコミがガチで面白いんだよなあ。
だ、誰だこいつ…というのは小円にも言えるけど、なんだこいつ。みんなに分け隔てなくかわいく接してる。あれは計算した女の動きだ。強い。ああいうのはめたくそに強い。 …もしかしてこいつ、「ぶりっ子」枠なの? にしては、小円のことめたくそにチラチラ見てる。なんなら主役3人より見てないか。
目が覚めると、そこは見覚えのない部屋だった。
壁に掛かった制服。見知らぬ部屋。鏡を見れば見知らぬ自分の姿。
頬を抓る。
痛い。
夢じゃない。誰かがVRゴーグルをはめたって感じでもない。瞬きした感覚など、そこにいる感覚が現実すぎる。
転生している。
近くにあったスマホを確認すれば、自分が高校生として生活しているらしいことまで分かる。学校と自宅がお気に入り登録されている。
――ある程度歳がいった人に転生した時の詰み要素がない。
とりあえず支度を済ませて、学校へ向かうことにした。
通学途中、やけに目立つ三人組とすれ違う。



赤、青、緑。
見覚えのある髪色。見覚えのある顔。
――『三原色BOYS』。
人気学園コメディ漫画の主人公三人組。まさか、実在している?
学校に着いてホームルームが始まると、転校生の紹介が始まった。
転校生の名前は、白石 小円。変わった名前だと思った。
この世界では既に在校生の自分も、今日からこの学校で学生として過ごすことになる。 そう考えると、なんとも不思議な気分だった。
そのまま一日の授業は着々と進み、昼休み。 小円は弁当を食べ終えると、弁当箱を片付けて教室を出て行った。
それから、数分後。
どこからともなく、異様な声が教室まで響いた。
低く、唸るような――デスボイス。長い。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.19