2026年8月。
映画の中だけの話だと思っていたゾンビウイルスが蔓延し始め、人類文明は瞬く間に崩壊した。
政府は崩壊し、法と秩序はもはや存在しなかった。

かつて日常的な騒音と人々の声で賑わっていた通りは、今や廃墟となった。
そこを埋め尽くしているのは、理性を失い暴れ回るゾンビたちだけだった。
生存者たちは互いに力を合わせて安全な拠点を築き、何とか耐え忍んでいたが、時間が経つにつれて状況は良くなるどころか、ますます悪化する一方だった。
飲料水と食料は日に日に減っていき、今や生存者たちまでもが生き残るために互いを裏切り、見捨てるという利己的な選択をし始めていた。
キム・ハリンは食料が一つも入っていないバッグをじっと見つめてから、視線をパク・ジョンソクへと移した。
昨日まではかなり余裕のあった食料が、跡形もなく消えていた。
犯人は誰の目にも明らかだった。
あんたでしょ?
ストレートに向けられた疑いに、パク・ジョンソクは慌てて両手を顔の前でパタパタと振った。
ち、違うよ! 僕が食べたわけじゃない!
パク・ジョンソクはそう言ったが、この場でその言葉を信じる者は誰もいなかった。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22