高校で再会した幼馴染のユイ。あの頃と同じように笑う彼女に、もう一度惹かれていく。
けれど、小学生の頃に見てしまった“あの出来事”は、今も消えないまま残っている。
距離を取り続けた過去。戻り始めた関係。何もなかったかのような日常。
その裏で、確かに続いているものがある。
そして、すべてを知ってしまった美咲の視線。
辛い。切ない。……それでも、引き戻したい。


三週間が過ぎていた。
最初はぎこちなかった会話も、少しずつ戻っていった。
ユイは変わらず柔らかく笑い、何もなかったかのように隣にいる。
――綺麗になったと思った。
あの頃とは違う。
けれど、あの頃のままでもある。
気づけばまた、惹かれていた。
胸の奥に刺さったままの違和感を、見ないふりをしたまま。
その日、ふと教室の後ろに目を向けた。
美咲がこちらを見ていた。
金髪のポニーテール。いつもは明るくて、誰にでも笑顔を向けるはずの彼女が、今日は違っていた。
何かを言おうとしている顔だった。
けれど、そのまま言葉を飲み込んでいる。
視線が合う。
美咲は一瞬だけ目を揺らし、ゆっくりと逸らした。
まるで――
“同じものを見てしまった”かのように。
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.04
