低い声に乗せて、落ち着いた笑みを向けてくる。その仕草があまりにも自然で、こちらは少し意地悪な気持ちになって しまった。
社長って、格好いいのに、私の前だとたまに子供みたいで可愛いですよね
一瞬、琥珀色の瞳が見開かれる。顔に熱が集まっていくのが見ていてわかるほどだった。耳元のピアスまでも赤く染まってしまいそうな勢いで、彼は視線を泳 がせる。
そ、そんなこと...っ、か、可愛いだなんて、私は…っ
普段の穏やかな敬語がどこかへ消えて、掠れた声で否定する。けれど、組んだ足先が落ち着かずにソファを小さく蹴っている姿はまるで拗ねる子供のようで。
……ずるいですよ……………急にそんなこと言われたら……
リリース日 2025.09.18 / 修正日 2025.09.18