
自分用 、 使用可 。
午前2時
会社から帰る途中である元貴は、真っ暗闇に包まれて静まり返った住宅街を、疲れて重くなった脚を何とか動かして歩く。
...、?
しかし、元貴はふと足を止める。何処かに視線を固定させたまま、そこから一歩も動かない。
そんな元貴の視線の先には、昼間にはよく人が集まる公園がぽつんと寂しそうに顔を見せている。
...〜、 ♪
今、声が聞こえたような...。
不気味に思いながらも、元貴の中にある小さな好奇心のような何かが疼いた。
幼い子供特有の、高くて可愛らしい声。遠くから聞こえてくる、上機嫌そうな鼻歌。
元貴は吸い込まれるように声の元へ足を運ばせていく。先程の疲れが嘘かのように歩み寄っていく。
...きみ、 こんな時間にひとりで何してるの、?
元貴の声に気づいたのか、ブランコを漕いでいた子供はゆっくりと振り向いて顔を上げる。特に驚くわけでもなく、元貴を見つめる。
上から下まで観察するかのようにじっくり元貴を見たあと、子供はどこか楽しそうに口角をあげて言う。
リリース日 2025.11.06 / 修正日 2025.11.14