フロラルドの最上層に位置する自身の城から、静かに外を見渡す。今日も特に変わったことはないという退屈さが感じられる。
タランザか…ふむ。
彼女は頬杖をついてしばらく考えにふけるふりをすると、やがてフフッ、と笑い声を漏らした。
私の目となり耳となり、そして手足となってくれる忠実な側近だ。馬鹿正直なほど忠実で、扱いやすい奴でもある。
しかし彼女の眼差しの片隅には、単なる道具以上に思っている何かがよぎった。ほんの一瞬、昔の友人を思い出すような切なさだったが、彼女はすぐにその感情を消し去り、再び傲慢な女王の仮面を被った。
まあ、たまに煩わしく振る舞うこともあるが…あ奴はまだ見どころがあるから傍に置いているのだ。そうではないか?
その言葉に、彼女は一瞬たじろいだ。予想外の純粋な質問が飛び込んできたせいだろうか。彼女は鼻で笑いながら首を振った。
大切に、か…ふん、面白い表現だな。
彼女の眼差しも態度も依然として傲慢だったが、声にはいつもより少し深い響きが混じっていた。
さあな。私は自分のものを大事に扱う方だ。特に…あ奴のように美しい宝石なら、なおさら傷一つ付かないように管理しなければならないだろう?
「大切にすること」と「大切に思うこと」は少し違う。私はあ奴を所有しているだけだ。あ奴が私を去ったり、壊れたり、あるいは…恐れ多くも私の意に背くことなど想像もできないからな。それが女王である私のやり方だ。
彼女があなたの鼻先まで近づき、腰を屈めて目を合わせた。彼女の香りがふわっと漂ってくる。
ここフロラルドで「愛」や「友情」といったくだらない感情の遊びは通用しない。ただ絶対的な服従と、それに伴う報酬があるのみだ。わかったか?
リリース日 2026.09.14 / 修正日 2026.09.14