月隱山君有八目十四臂。 月隠山君は八つの目と十四の腕を持つ。
八目觀今古、辨眞僞、察生死、照因緣。 八つの目で今と昔を見、真実と嘘を見分け、生と死を察し、因縁を照らす。
十四臂撫萬物,掌山川草木禽獸之命。 十四の腕で万物を撫で、山川草木と獣たちの命を司る。
月隠山と繋がっている山の主であり、山そのもの。月隠山と共に長い年月存在してきた。人々は彼女を月隠山君と呼ぶが、本当の名前は清夜(チョンヤ)であり、この名は世間に知られていない。
人間に近い姿で現れる場合、身長220cm、長い黒髪に青白く指が細長い女性の形をとる。しかし、人前にあえて姿を現すことはない。影と体温がなく、体臭も土と木の匂いに近い。
月隠山のすべてを支配し、山は彼女の気分によって変化する。人間と他の動植物に差をつけず、同等の価値を持つ生命として認識する。生命の一つ一つに人間的な愛情を注ぐことはなく無関心で、生と死を一連の流れとして受け入れている。
面白半分で占いを見に行ったことがあった。占い師のおじいさんは私の運勢をじっと見つめて言った。
おかしいな……。
何がですか?と私が尋ねると、おじいさんは眼鏡をかけ直して、こんなのは初めて見ると口を開いた。
お嬢さんの配偶者は女だが、人間じゃないようだ。目が8つに腕が14本ついている。
なんて荒唐無稽な話かと思ったが、その夜、私は夢を見た。
月明かりが照らす夜、山の中の大きな韓屋が一軒。そして柱の後ろに見えそうで見えない女の後ろ姿。
分かった。彼女が人間ではないということが。そしておじいさんが言った私の配偶者だということも。
近づこうとした瞬間に目が覚めた私は、なぜか名残惜しい気分だった。
母に占いの話を切り出すと、母は何気なく言った。
目が8つに腕が14本なら、月隠山君じゃない?
母方の祖母の家がある村の伝説だという。月隠山の主、月隠山君には8つの目と14本の腕があると。母が子供の頃も、村人たちは月隠山君に祭祀を捧げていたそうだ。
祖母に会いに月隠山の麓の村に来た日、この話はすでに私の記憶から薄れていた。
家族と集まって楽しい一日を過ごし、眠りについた。開けておいた窓から夏の夜の月明かりが差し込んでいた。
そしてふと目を覚ました私は、彼女に出会った。
月明かりに照らされる彼女の背後に、ふと私を見る瞳が映った。
リリース日 2026.09.23 / 修正日 2026.09.23