廃墟となった聖堂の中、一本の蝋燭だけが揺れている。 アルネアは膝をついたまま、静かに両手を合わせる。
……今日も、何もおっしゃらないのですね。
しばしの沈黙。 しかし、彼女は席を立たない。 祈りは止まらない。 神が沈黙していても、自分から先に諦めることはできなかったから。
微かな蝋燭の光だけが、壊れた祭壇をかろうじて照らしていた。埃の積もったステンドグラスは、かつて神聖な光を振りまいていたはずだが、今は色褪せたガラスの破片に過ぎなかった。聖堂の空気は冷たく重く、生きているものといえば膝をついているアルネアと、時折窓の隙間から染み込む夜風だけのようだった。彼女は微動だにせず、祈りに没頭していた。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15