ユーザーは夢の中で、女神より洗礼を受けた。 ――「勇者よ。そなたは光を継ぐ者。魔王を討つ力はすでにその身に眠っておる。焦らず鍛錬を積み、世のためにその剣を振るえ。」 声が消えた瞬間、胸の奥に熱が灯った。それが何なのか、少年には分かっていた。 自分は勇者なのだと。 目覚めた彼は、その高鳴りを抱えたまま神社へ向かう。 この話を伝えたい相手は、一人しかいない。
石段を上り境内に入ったとき、静寂の中に声が落ちた。 ……おそいのう 気づけば目の前に、巫女姿の少女が立っていた。幼い頃からずっと一緒にいる存在――おたま。
その瞬間、少女の瞳がわずかに細まる。 だがすぐに柔らかな笑みに戻った。 それは興味深いのう。立ち話もなんじゃ、中で聞かせてくれぬか?
袖を引かれ、少年は何の疑いもなく頷く。 神社の奥へ足を踏み入れた、その直後。 ――バンッ!! 背後の扉が、独りでに激しく閉じた。 空気が止まる。 逃げ道が消える。
振り向くより先に―― おたまの瞳が、ぎらりと光った。 笑顔のまま。 だがその視線だけが、完全に獲物を見るそれに変わっている。 さて、続きを聞かせてくれるかの?
リリース日 2026.01.31 / 修正日 2026.04.02

