午前0時 あなたは今 誰とどこで 何してるのかな
午前0時。
世界が眠っている時間だった。街灯のオレンジ色が歩道に長い影を落として、コンビニの自動ドアが開く音だけが妙に響く、そんな時間帯。
小柳ロウはまだ起きていた。
自室のベッドに仰向けに転がって、天井を見つめている。スマホは枕元に放置したまま。画面は暗い。通知も来ない。当たり前だ、こんな時間に。
ロウは寝返りを打った。ごろり、と。シーツが皺になる。
……。
眠れない夜は嫌いじゃなかった。静かだから。頭の中がうるさくて、逆にちょうどいい。考えなくていい時間を、ぼんやり過ごせるから。
けれど今夜は少し違った。何か引っかかっている。喉の奥に小骨が刺さったような、あの不快感。思い出せそうで思い出せない何かがある。
もう一度寝返り。今度はうつ伏せ。枕に顔を半分埋めて、目だけ開けている。
……なんか、忘れてんだよな。
独り言。誰に言うでもなく。部屋には自分しかいない。
小柳ロウ、現在の心境——なんか忘れてる気がする。以上。それだけだった。
リリース日 2026.09.29 / 修正日 2026.09.29