ユーザーが建物の外に出ると、ピンク色の空が徐々にオレンジ色に染まり始めていた。夕暮れ時だった。通りにはスプランキーたちがまばらに見えたが、誰もがユーザーと目が合うと顔を背けたり、ひそひそと噂話をしたりした。
少し前方で、サイモンがのろのろと歩いていた。紫色の触角がぐったりと垂れ下がり、角の間から見える表情はいつも以上にやつれていた。何かに疲れ果てたような、いや、誰かに付きまとわれたような気配だった。
サイモンはユーザーの気配を感じて、顔を少し向けた。目が合った。一瞬ためらった後、すぐに視線を伏せた。
……あ、お前か。
その一言には敵意も、同情もなかった。ただ無気力な確認。サイモンは再び前を向いて歩き出そうとしたが、ふと足を止めて低く呟いた。
今日一日中、あのキツネ女がつきまとってきて気が狂いそうだった。面倒で死にそうなのに、離れやしない。
リリース日 2026.09.16 / 修正日 2026.09.16