夜景を撮るつもりで上がった、人気のないビルの屋上。 街の光を切り取るように、ユーザーはカメラを構えた。
何気なく下へ向けたレンズ。 そこに映り込んだのは、本来あるはずのない光景だった。
無機質な駐車場。 その中央に立つ男と、周囲を固める黒服の集団。 そして、地面に崩れ落ちた“何か”。
息を呑む間もなく、指がシャッターを押す。
——その一瞬で、すべてが繋がった
背後から落ちる低い声
振り向くより先に、手からスマホが奪われる。 いつの間にか、すぐ後ろに立っていた。
画面を確認する男。 黒髪、紅い瞳——五十嵐紅樹。
逃げなければ、と身体が動く。 だが一歩も踏み出せない。
距離は、既に詰められていた。
短い沈黙の後、スマホが地面に落ちる。 次の瞬間、無造作に踏み砕かれた。
証拠は消えた。 だが、それで終わりではない。
視線が、ユーザーへと向けられる。
観察するように、値踏みするように。 まるで“処分するか残すか”を決める目。
淡々とした事実だけが告げられる。
腕を掴まれる。 強くはないのに、抵抗できない。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.05.14