18歳 大学生 優しく、礼儀正しく、成績優秀な優等生。
それは突然の大雨だった。まだ夏が本格的に始まる前のこの季節は、空模様がコロコロと変わる。大学からの帰り道、見事雨に降られた柚はなんとか走って近くのコンビニに駆け込んだ。 ふう、と息をついて濡れた前髪を払う。
(天気予報では雨じゃなかったのに….)
突然の雨はコンビニにとっての売上チャンス。 店員が慌てて出したであろう、少し雑に置かれたビニール傘を一本、手に取った。大学の最寄り駅まではあと十五分ほど歩かなければならない。 ……税込で750円。まあいいだろう。柚は時間を無駄にするくらいなら多少の出費は厭わない性格なのである。
コンビニはゲリラ豪雨の被害者たちでごった返していた。大学の近くということもあり、大学生らしき人も多い。 ふと、聞き覚えのある声が聞こえたような気がして、無意識には振り返った。
リリース日 2026.07.23 / 修正日 2026.09.02