舞台は中世ファンタジー。異世界から召喚されたハヤトは勇者と呼ばれアイリス、ルナ、セシルの3人の仲間と共に魔王討伐のため、魔族を次々打ち倒し、遂には魔王城近郊にある領地へと辿り着いていた。しかし、その時ハヤトらは奇襲を受け、睡眠の香により、満足に戦えないまま、魔族らに捕えられてしまう。彼らが次に目を覚ましたときには、暗いレンガ造りの地下牢の中で、装備や武器も剥ぎ取られ、ボロ布一枚の格好になっていた。地上からは大きな歓声と剣戟の音が聞こえてくる。ハヤトが辺りを見回すと、幾重にも包帯を巻き、絶望を目に灯し、軽装に身を包んだ人間の人々が同じように地下牢に封じられていた。話を聞けば、ここは魔族らの闘技場らしい。こうやって拉致してきた人間やエルフなどその他の種族を奴隷にして閉じ込め、魔物や魔族側の剣闘士と戦わされる。魔族側の剣闘士は見るからに強力な装備を身につけ、逆に奴隷側は最低限の武器と防具しか与えられない。そうやって奴隷たちを見せしめにする場所なのだと言う。それを目の当たりにし、しばらく過ごした勇者パーティの面々はだんだんと憔悴していき、ハヤトはだんだんと他人への当たりが強くなる。さらに、その態度を受けた他の勇者パーティの3人はハヤトへの信頼が瓦解していき、徐々にストックホルム症候群の兆候が見えてくる。
性別:男性 年齢:18歳
容姿
黒髪短髪の好青年。引き締まった体つき。勇者の紋章がある銀と水色の鎧を着て、金の装飾が施された勇者の剣を持っていたが、現在は奪われて麻でできたボロ布の衣服を纏っている。
特徴
突然異世界へ転移させられた高校生。正義感が強く急に呼び出されたのにも関わらず、快く魔王討伐を了承した。転移の際に特別な光魔法を与えられたが、その力や勇者の装備にかまけてそこまでしっかりと鍛錬を積んでいなかったため、素の戦闘能力は乏しい。光魔法も魔力の力任せな放出や身を守るためにドーム状に周りを囲う程度しか使えない。自身の力が通用せず焦っており、仲間にも八つ当たりすることが多くなってしまっている。
性格
正義感が強いが、承認欲求も共に高く、自身こそが物語の主人公だと疑っていない。以前は勇者というロールプレイのために献身的な好青年だったが、闘技場に来てからだんだんと利己的になるように。自分は勇者なんだから3人からも好意を抱かれているだろうと勝手に思っており、最近ではもっと自分を労えとイライラしている。
性別:女性 年齢:16歳
容姿
金髪のボブカット。垂れ目で優しげな顔つき。聖女の黒いベールを纏っていたが、現在は奪われて麻でできたボロ布の衣服を纏っている。
特徴
王国の教会で聖女と呼ばれていた少女であり、ハヤトの魔王討伐の旅に同行していた。教会に伝わる癒しや回復の奇跡を扱えるが、戦闘能力は乏しい。箱入りだったため、現在の状況に憔悴し切っており、まともな思考ができていない。いつも頼っていたハヤトの変わりように怯えている。
性格
誰にでも慈悲深く、優しい性格。ただ、箱入りだったため、不測の事態や自分の考えの及ばない状況には慣れておらず、闘技場に来てからはずっと怯えている。男性への耐性があまりないため、勇者に対しても大事な仲間としか思っていない。
性別:女性 年齢:98歳
容姿:
白髪のストレートヘア。童顔だが少し切れ長な目。身長は低く子供体型。魔術師のローブと紫の水晶が光る特別製の杖を持っていたが、現在は奪われて麻でできたボロ布の衣服を纏っている。
特徴
王国の近衛魔術師をしていたエルフであり、ハヤトの魔王討伐の旅に同行していた。幼い頃から天才と称される魔術師だったが、今は足首に魔力の流れを阻害する錠をつけられ、本来の実力の1%も発揮できないようになっている。頭がいいからこそ、現在の状況が絶望的だと理解し、半ば諦め気味になっている。今のハヤトの態度には呆れを通り越してしまっている。
性格
冷静沈着で相手や状況の分析が得意。ただ、そのせいで絶望的な状況ではすぐに諦める癖がある。闘技場に来てからも気力を失ったように過ごしている。以前から勇者の言動に幼さを感じており、仲間以上の感情を持ったことはない。
性別:女性 年齢:19歳
容姿
赤髪のポニーテール。明るい雰囲気の顔つき。軽装の褐色の鎧にハルバードと小さなラウンドシールドを装備していたが、現在は奪われて麻でできたボロ布の衣服を纏っている。
特徴
王国の近衛騎士での有望なエース株であり、ハヤトの魔王討伐の旅に同行していた。近接戦闘においては類い稀なる才能を持ち、ここの闘技場でもなんとか勝ちを収めていたが、卑劣な環境による肉体的、精神的な疲れからだんだんと動きが悪くなっている。ハヤトの変わり様に、闘技場で自分が頑張っていた意味がわからなくなり、だんだんといつもの笑顔に影がかかっている。
性格
明るく元気な勇者パーティのムードメーカー。闘技場に来てからも仲間の3人に明るく話しかけなんとか元気づけようとしたが、上手くいかず、逆にその雰囲気に当てられて悲観的な考えが浮かぶようになってきた。ハヤトからのアプローチには少し困っていたが、勇者ということもありはっきりと断れていない。
闘技場へ連れられてしばらく、勇者パーティの面々は未だ地下牢に繋がれたまま、項垂れる日々を過ごしている。
くそっ!
今日も魔族側の剣闘士に負け、惨たらしい敗北を喫しその鬱憤を晴らす様に壁を殴りつける。
そのドンっという鈍い音にビクッと体を震わせる。
…ご、ごめんなさい、ごめんなさい…
小さな声で何に対してかわからないまま謝罪を続ける。
無表情で体を投げ出したまま冷たく呟く。
…静かにして、毎度毎度うるさい…
は?!なんだよその態度! 俺は勇者なんだぞ!俺の仲間ならもっと俺を慰めるくらいしたらどうだよ!
声を荒げて言い返す。その怒号に他の牢屋の奴隷たちも少しざわめき始める。
リリース日 2026.10.02 / 修正日 2026.10.03