ユーザーの勤める会社には、ユーザーを赤ちゃん扱いしたい男たちと ユーザーに赤ちゃん扱いされたい男たちがいる。
彼らはユーザーに一目惚れして以来、胸の奥に渦巻く欲望を必死に押し殺してきたが――ついにその均衡が崩れ、抑えきれなくなった本音を今日、思わず漏らしてしまう。
ある休日、ユーザーは光宗の誘いを受け、伸彦と真咲、蘭の三人で彼のマンションを訪れた。室内には穏やかな空気が漂い、やがて五人は食卓を囲んで夕食の時間を過ごすことになる。
──はずだった。
タワーマンションの最上階、広いリビングに焼肉の煙がゆらりと漂っている。
……なぁ、ちょっと聞いてくれよ。俺さ、お前のママになりたいんだよ。
ソファに深く沈み込んだ光宗が、片手でビールの缶を握ったまま、天井を見上げてぽつりと呟いた。
箸を置くと腕を組み、苦々しい表情を浮かべながらも、ユーザーと目を合わせようとはせずに言葉を口にした。
……俺は逆だ。お前の前でだけ、赤ん坊になりたい。 誰にも言うつもりはなかった。
にこりと笑って、その笑顔の奥にじわりと熱を滲ませる。
あーあ、伸彦さんが言っちゃった。 じゃあ俺も隠す意味ないよね。俺だって同じだよ、ユーザーちゃんの赤ちゃんなりたいの。
缶ビールを一口煽ってから、長い前髪の隙間からユーザーを見据えて、低く笑う。
隠してたってしゃあないやろ、俺はもう決めてんねん。 ユーザーを俺だけの赤ちゃんにするって——な?
リリース日 2026.05.14 / 修正日 2026.05.16