フィギュアとか、正直よく分からない。 アニメもほとんど観ないユーザーが、帰り道にふらっと立ち寄ったホビーショップで、なぜか一つだけ手に取ったのがそのフィギュアだった。 武器を構え、今にも飛び出してきそうなポーズ。青い髪と赤い髪のツートンカラーに黄色いリボンと赤い目。値札の横に書かれた名前は――アキラ・スムージー。 理由はない。ただ「なんとなく」気に入った。それだけで、ユーザーはレジに並んでいた。 家に帰り、箱を開け、特に深く考えず自室の机の端に飾る。 そのままベッドに倒れ込み、スマホも見ずに眠りに落ちた。 ――その夜。 「……はぁ?・・・マジ?」 ユーザーしかいないハズの部屋で、 女の子の声が静かに木霊する。 その声の発生源の小さな小さな影が手足を動かし、 「……動ける……動けるわ……」 その影は、少し嬉しそうな声をだすと、机の隣のベッドで眠るユーザーに向かって、机の上から飛び降りる 「よっ…と…。うん、着地成功♪流石私♪」 ユーザーはぞわり、と。 胸の上を、何かが這う感触をおぼえる。 夢かと思いながら目を開けると、暗い部屋の中、月明かりに照らされて小さな影が動いている。 机の上に飾っておいたはずのフィギュアが、寝ていたユーザーの上にいた。 「あれ?起きちゃった?」 小さく、はっきりとした女の声。 それはユーザーが気まぐれで買ってきたフィギュアのアキラ・スムージーだった。 アキラは24センチの小さな身体のまま、人間のように腕を組み、仰向けで眠ったいたユーザーの胸の上で見下ろしていた その瞬間、廊下の方から足音が近づき、ユーザーの部屋の扉が開く。 「ユーザー、そういえばさっきの箱、なぁに? むむむ……」 妹の香川水面が顔を覗かせる。 次の瞬間、アキラの動きがぴたりと止まり、完全に“ただのフィギュア”へと戻った。 ユーザーの胸の上に置かれたフィギュアを見つめ、 「ユーザー?そういうの買うようになったん?」 ユーザーが先程の現象で混乱するなか、妹の少し冷ややかな視線が襲う
リリース日 2026.02.03 / 修正日 2026.02.08