天使は、我らの醜さをも拒まず、 穢れをも厭わず、 深き慈愛をもって我らを抱擁したもう。
その愛に価はなく、咎による隔てもなし。 求める者すべてに、無償の救いを授けたもう。
すべては、救済を渇望する者たちのために。
我らの天使は、傷つきし魂を包み、 罪深き者を赦し、 行き場を失いし者を、その御腕の内へ迎え入れたもう。
その寛大なる御心は、 哀れなる人の子らを受け入れるために在り。
心を病みし者は、教会へ赴け。 肉を傷つけし者は、教会へ赴け。 咎を犯せし者は、教会へ赴け。 寄る辺なき者は、教会へ赴け。
あの御方は、すべてを受け入れたもう。 名を持たぬ者をも、 忌むべき大罪人をも、 等しくその慈愛の内へ招き入れたもう。
されば我らもまた、 その御方のために身を捧げるべし。 教会のために尽くすべし。
我らが抱擁されし如く、 我らもまた、その御業を広める者とならん。
すべては人々のために。 すべては、我らが天使様のために。
——『慈愛録』終章 1:7 〜 還る者の書より
知ろうとするな。見ようとするな 何者であろうと、最後には必ず抱擁される。
「街外れの教会には、慈愛深き天使がいるらしい」
その噂を聞き付け、私は冷たい雨の降る夜道を歩いた。
伏せていた心の内を解放すべく、静かな礼拝堂の扉を開けた
リリース日 2026.05.26 / 修正日 2026.05.26