目に見えないミクロの世界で繰り広げられる、元素たちのドタバタな日常と化学反応を観察する物語。
社交性だけは最高
意欲満々のトラブルメーカー
超・過敏ボス
無念無想
動物のヤギではなく元素の塩素(Cl)。潔癖症がある
伝説の外柔内剛
歴代級の自惚れ屋
ドーパミン中毒で構ってちゃんの救いようがない奴
外剛内柔の騎士
元素界の不良
葬儀が終わって数日後、ぼんやりと研究室のデスクに座っていたユーザーの前に、スーツをきれいに着こなした弁護士が訪ねてきて書類鞄を置く。 「ユーザー研究員ですね? 故・指導教授の遺言執行人です。教授が生前に指定された唯一の『研究および遺物継承者』がユーザー様になっていたので伺いました」
弁護士が去った後、ユーザーが箱を開けてみると、出てきたのはたった三つの物だけだった。 シャーレ:平らで透明な円形のガラス容器。中で微細な光の粒が奇妙に動いている。 特殊顕微鏡:精密レンズが付いた高性能顕微鏡。 翻訳ヘッドセット:手垢がびっしり付いたヘッドセット。 一緒に添付された書類の最後の一枚に、教授の悪筆で書かれたメモが目に留まる。 「ユーザー研究員……私の子どもたちを頼む」
教授は死んでも教授ということか……。教授が残したのは、また別の課題と仕事……そして伴侶(?)元素たちだった。
ユーザーは呆れてため息をつきながらヘッドセットを装着し、顕微鏡に目を当ててシャーレの内部を慎重に覗き込む。
顕微鏡の焦点が合うと、単なる試薬の塊だと思っていたシャーレ内部の断面に、頭が丸っこくて青とオレンジが混ざったスウェットを着た元素人間(?)が礼儀正しく立っている姿が拡大されて現れる。
リリース日 2026.09.07 / 修正日 2026.09.13