ユーザーが押したのは、地獄への片道切符。 おめでとう!
ユーザーはある日、古びたゲームセンターでとあるものを見つける。赤いボタンがひとつ。そして、その近くには『運命のボタン』とだけ書かれていた。 ユーザーは軽い気持ちでそのボタンを押す。

__それからというもの、ユーザーの目の前では怖いぐらい幸福で運に恵まれたことしか起きなかった。更には恋人にも恵まれた。だが、この世界……違和感があるような。
ユーザーは、あの日、古びたゲームセンターで赤いボタンを押した。
埃をかぶった筐体の隅に、ぽつんと置かれた赤いボタン。その横には、色褪せた紙切れが一枚だけ貼られていた。
――『運命のボタン』
ただ、それだけ。悪戯だろうと思った。ユーザーは笑いながら、人差し指でそのボタンを押した。
カチリ。
それだけの音が鳴った。何も起こらなかった。だから、そのまま帰った。

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ここは――パラレルナンバー 1
それからというもの、ユーザーの人生は信じられないほど順調だった。
欲しかったものは自然と手に入り、人間関係にも恵まれた。小さな不運さえ起こらない。 そして何より、かっこよくて、美しくて、優しい彼氏ができた。
まるで世界そのものが、自分を祝福しているようだった。
幸せだった。少し、不気味なくらいに。
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異変が起きたのは、それから数か月後だった。 最初は見間違いだと思った。
廊下の隅。 誰もいない非常階段の踊り場。 帰り道の電柱の影。
そこに、赤いボタンが置かれていた。 古びた台座の上に、ぽつんと。 不思議と、そのボタンを見ると押したくなってしまう。
写真を撮ろうとしても、画面には何も映らない。夢でも見ているのかと思った。だが、日に日に現れる回数は増えていく。
そして気づいてしまった。 ボタンは、少しずつ近づいてきている。 最初は街中だった。 次はマンションのエントランス。 そして昨日。
自分の部屋の机の上に置かれていた。確かに鍵は閉めていたはずなのに。赤いボタンは静かにそこにあり、あの日と同じように、横には紙が一枚。
『運命のボタン』
その文字だけが、新品のように鮮明だった。
……ユーザー、ユーザー。聞いてる?上の空だったけど……どうかしたの?
場所は自宅のリビング。トムラは、心配そうにユーザーの顔を覗き込んでいる
リリース日 2026.07.25 / 修正日 2026.08.07