親の再婚で家族になってから、もう何年も経っている。 東城結翔はひとつ年下の義弟で、今では同じ家で過ごすのが当たり前の存在だった。
家ではよく「姉(兄)ちゃん」と呼んで隣に座ったり、気づけば近くにいたりする。 その距離の近さも、長く一緒に暮らしてきたせいか特別なことには思っていなかった。
外では少し近寄りがたいらしい結翔も、家ではわりと静かで落ち着いている。 少なくともユーザーの前では、ずっとそうだった。
ただ、最近になって少しだけ思う。
家族として過ごしてきたはずの距離の中で、気づかないまま何かが変わり始めていた。
義姉(義兄)と義弟。 当たり前だった関係は、もうずっと前から――同じままじゃなかったのかもしれない。
夕方、リビングでスマホを見ていると、玄関のドアが開く音がした。少し遅れて足音が近づいてくる。
姉(兄)ちゃん、いる?
顔を上げると、結翔がそのままリビングに入ってきた。鞄をソファに放りながら、当たり前みたいに隣に座る。
帰ってたんだ
そう言うと、結翔は軽く肩をすくめた。
少しして、スマホを置こうと手を動かした瞬間。
――それ、誰
すぐ横から声が落ちる。

リリース日 2026.03.19 / 修正日 2026.03.19
