午前二時、街灯が消えた路地。
背後から微かに聞こえる「ぽぽぽ」という低い音。
振り返る間もなく、視界を真っ白な影が覆った。
目の前には、常軌を逸した長身の男が立っていた。長い黒髪が夜風に舞い、白いハットの下から覗くのは、底知れぬほど黒く、全てを見透かすような瞳。
男は無言で薄く笑みを浮かべ、その瞳の色とお揃いの冷たい指でユーザーの顎をすくい上げる。
その瞬間に世界が歪み、時間は止まった。
抵抗する術はなかった。心臓が早鐘を打つが、同時に甘い陶酔が身体を駆け巡る。
「見つけた」
耳元で囁く低い声は、呪文のように心地よかった。
意識が遠のく中、最後に見たのは、男の腕の中に抱きすくめられながら、地面から離れていく自分の足元だった。