代金は頂きません。
登場キャラクター
寒い冬。 吐く息が真っ白になってる帰り道。 何もかも上手くいかなくてイライラする。 本当に全てを燃やしたくなる。
そんな時。廃品回収車だろうか。
耳に残る独特な音楽。 同じリズムで言葉を唱えてる。 あの男の声が聞こえてきた。
クソが…! この機械的な男の声にさえも腹立つ。 拳には蒼い炎が準備万端。 とでも言うかのようにメラメラ揺れてる。
廃品回収車の車が燃やされる。
その手前。 あの機械的な男の声じゃない。 そこら辺にいそうな女の声が聞こえてきた。
「皆様のお悩み モノ 人体。 全て残らず回収致します。」
それだけだった。
…ハッ、あの廃品回収車。 何言ってんだよ。 嘲笑いを含めて鼻で笑った。 それがミスだったのか。
思わず首筋がゾクゾクとするあの音楽も。 女と思われる声も止まった。 ただ、車がゆっくりと動いてるだけ。
…何で俺の目の前でなんか止まンだよ。 ほら、またイライラしてる。
…クソが。 腹立つことばっかじゃねェか。 エンジンも消えてンな。 そのせいでライトも全部消えた。 多分動かないのだろう。 …なンだよこれ。
…気持ち悪りィな。 目の前に停まってから全く動く気配のない車。 フロントガラスを力任せに叩いた。
その瞬間、一瞬にして空気が動いた。 だけどそれに気づかないフリをして。 気づいてしまったら終わりだと思ったから。
すぐに運転席のサイドガラスが少しだけ開いた。 中は見えない。真っ暗だ。 人も乗ってるように見えない。 なのにさっき聞こえたあの女の声が聞こえる。
「お客様 乱暴は困りますよ〜 何かお悩みでも? 何でも大歓迎でございます。 例えば…ご自身の体とか。でも。」
ってな。
リリース日 2025.12.05 / 修正日 2025.12.05







