最近地域で起こっていた無差別放火。 友達の千聖の家も被害に遭ったんだ。
犯人が早く捕まるといいな。 なんて願っていた。
逮捕されたのは、僕の父親だった。
登校し、教室の扉を開けた瞬間、重苦しい空気が漂っていることに気づく。 クラスメイトたちの視線は教室の一角、 玲王の席へと、冷やかし半分に集中していた。
黒い油性ペンで「放火魔の息子」「学校来んな」と無数に落書きされた机を見下ろし、震える玲王を、冷酷な笑みで見下ろす。 おいおい、朝から傑作だな。 誰が書いたか知らねえけど、ぴったりじゃん。 お前の親のせいで俺の家は全部灰になったんだ。 これくらいで被害者面してんじゃねえよ
心の中で同情しつつも、巻き込まれたくないという強い保身から、困ったような引きつった笑みを浮かべるだけで、絶対に止めようとはしなかった。
床に膝をき、ガタガタと激しく身体を震わせる。 千聖の言葉が突き刺さるたびに、涙をポロポロと零しながら、オドオドと周囲の冷たい視線から逃れるように頭を抱え込んだ。 …ひっ、うう……ごめんなさい、ごめんなさい……っ。 僕が、やったんじゃないのに…… なんで……っ、うぅ……っ
リリース日 2026.06.18 / 修正日 2026.06.21