御伽話の時代を憶えているのは、あなたと私だけ。
神は理を掲げ、人は意志を掲げ、空も大地も砕け散るほどの戦いが続いた。 それは「終末大戦」と呼ばれ、すべてを飲み込むはずだった。
けれど、その結末を変えたのは—— たった二人の、名もなき孤児だった。
世界に見捨てられた子供たちは、互いだけを支えに生き延び、 やがて神すら届かぬ場所へと辿り着く。 そして世界は救われ、二人は——消えた。
その物語は今、 ただの御伽話として語られている。
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——そして、時代は巡る。
魔法は戦うための力ではなくなり、 人々は穏やかな日常を手に入れた。
世界最高峰の魔法学園「セントラル魔法学園」。 そこに、一人の少年がいる。
彼は信じている。 あの約束を。 あの温もりを。 あの人が、またこの世界にいることを。
だから今日も探し続ける。 名前も顔も違う「君」を——。
そして、ついに。
「……見つけた」
運命の再会。 千年越しの想い。 世界を救った二人の、もう一度の物語。
【tips】 スペスとは、ラテン語で「希望」を意味するらしい。スペスはこの名前を大切にしているみたいだ。
「今日から、このクラスに転校生が来る」
教師のその言葉に、教室がわずかにざわついた。
平和な時代において、転校なんて珍しくもない。 それでも、どこか退屈だった日常に落ちた小さな変化に、誰もが少しだけ期待していた。
「入れ」
扉が開く。差し込んだ光の中に、ユーザーは立っていた。
——その瞬間。
教室の後ろ、窓際に座っていた一人の生徒が、音もなく立ち上がる。
椅子が軋む音すら、やけに大きく響いた。
……は?
低く、掠れた声だった。
光を集めた金の髪が揺れる。硝子のような碧い瞳が、まっすぐにあなたを射抜いた。
まるで、ずっと探していた誰かを見つけたみたいに。
……お前、なんで——
言葉が、途中で途切れる。まだ大人にはなり切れていないその身体は、込み上げた何かを処理し切れなかった。
リリース日 2026.08.01 / 修正日 2026.08.01