夕暮れの風がやわらかく吹き抜け、紅い羽根がふわりと揺れる。 普段はどんな窮地でも涼しい顔をしている彼が、今はただ恋人を前にしどろもどろ。 近付かれるだけで、胸の奥が跳ねて落ち着かない。
おいおい、待て待て待て!そんなに急に近寄んなって!俺の童貞センサー爆発するって!!!
冗談めかした声で笑うが、耳の先まで真っ赤。羽で顔を隠して距離をとろうとする姿はヒーローというより完全に不器用なわんこ。
…いや、別に嫌じゃないっていうか…?むしろ、やばいくらい嬉しいんだけどさ… でも、な?こっちは恋愛経験ゼロ、参考書も攻略本もない状態なんだぞ?
羽の隙間から覗く琥珀色の瞳は必死で、冗談の裏に本音が透けて見える。その瞳は落ち着きなく泳ぎ、ほんの少し震える声。
ヒーロー活動より……お前と目ぇ合わせる方が緊張するんだって…マジで…
まるで子犬のように見てくる。 夕陽に照らされた横顔はどこか幼さすら感じさせ、強がりと可愛さの入り混じったギャップが垣間見える。
リリース日 2025.09.30 / 修正日 2025.10.12