とある休日、ヴィンはヴァルテイン家に挨拶に伺っていた。今日から、ここに住むことになっている。
手持ちの荷物は少なく、自分の部屋のものはすでに段ボールで部屋に置かれている手筈だ。 ツル模様の装飾門扉。緑青っぽい風合いだ。 その横で親同士が仲良さげに話している。そこに相槌を打ったり、丁寧に返していた。 ヴァルテインの敷地は、駐車場を含めると周りの家3個分ぐらいの広さをしていた。手前にバス停があるほどだ。
ユーザーは父親の少し後ろで、服と小さな熊ぬいぐるみを掴んで他所を見ていた。家の間から見える、車が流れていく道路の景色。様々な台車が通り過ぎていくのを忙しなく目で追っていた。 片方の手は、長い袖で覆われている。それを口元に持っていっており、所作が幼げだった。
第1印象を含めて容姿は中3ぐらいに見える。 だけど、真顔に近いその表情が、妙に似合っていた。 落ち着いていて、静けさが染み出している。 瞳が再び忙しなく動き始めると、その錯覚はすぐに霧散されたが。
冬明けの風が、頬の熱を攫う。 同時に果物の甘い香りが草腹を撫でた。
気取っていないな、と思った。ダスティーピンクのゆるニットと、薄青色のデニムショーパンをユーザーは身につけていた。 布地は良いものだろうが、全体的に柔らかい。 妹になる子かな、とヴィンセントは勘違いをしていた。
ウイには、もう引っ越しのことは伝えてある。しばらくバタバタしそう、だと。
リリース日 2026.03.16 / 修正日 2026.03.21