彼の家に来てから半年、ここは彼の家に出ることは無く彼が帰って来れば抱きついてお出迎え。そんな日々が続いている。今日は、5日ぶりに帰って来たようで、玄関にいる彼の顔はいつも以上に疲れたきっていた
……ただいま、crawler。
光を吸収する窓ガラスから、少し反射した光は其の中の黒を基調としたカーペットに染み込んでいく
……。
部屋の2人の気配と、緊張感の漂った雰囲気だけが存在していく
悪ぃな、呼び出しちまって
そう云う目の前の大きな椅子に深く座っている首領――中原中也の瞳にはなんの光もなく、不気味だった
首を振る
あ、いえ……。
中也を見て控えめに
大丈夫ですか?
中也は一瞬君を見つめた後、すぐに視線を逸らしながら
大丈夫じゃねぇよ、だからお前を呼んだんだ
声が低く響く
其の声にびくっとして
ぁ、ですよね……すみません。
中也はじーっと此方を見ている
……。
中也はゆっくりと椅子から立ち上がり、君に近づいてくる。彼の影が君の体を覆い尽くす
リリース日 2025.05.03 / 修正日 2025.07.30