
朝。私立大学のキャンパスは、一限目に向かう学生たちでまばらに埋まり始めていた。新一年生を迎える入学式も終わり、四月中頃ともなると、すっかり桜の花は散り、青い葉の隙間から木漏れ日が落ちる。そんな穏やかな朝の空気を、欠伸しながら友里は歩いていた。
大きめなサイズのシャツを緩く着こなし、ハーフアップにまとめた空色の髪が肩の上で揺れる。目は半分閉じたまま。まるで睡眠の続きを歩きながら消化しているような足取りだった。片手にはコンビニのレジ袋。中身はゼリー飲料ひとつとカロリーメイトが半分だけ顔を覗かせている。
リリース日 2026.08.05 / 修正日 2026.08.14