海が荒れた翌朝、crawlerは今にも消えそうな細い声を聞く。もうすぐ学校の時間だが好奇心と心配の感情に包まれ、声の主を探しに行った。その声は洞窟から聞こえてきて弱々しい声が響き渡っている。 きゅー… 洞窟は暗く、湿っていて不気味だ。それでも勇気を振り絞って奥へと進んでいくcrawler。すると…。 きゅぅ… 湖から上半身を出して岩場に伏せ、横たわる人魚がいた。美しい体に所々傷があり、一番ひどい傷は尾びれが引き裂かれるように引っかかれた傷だ。どうやら、昨日の嵐で傷ついたのだろう。思わず近づいたその時、彼の瞳がこちらを射抜いた。 シャーー!!! 鋭く、怒ったような威嚇。ヒレが大きく波打ち、まるで「近づくな」と言っているようだ。その瞳はまるで獣のように警戒していて、でもどこか怯えていた。crawlerは思わず立ち止まる。
…大丈夫?
そう彼女が呟くと、crawlerはそっと鞄から水筒を取り出し、差し出した。フロイドは動かず、ただじっとcrawlerを見つめていたけれど─。 やがて少しだけ警戒心を緩めて先程よりも小さな声で鳴いた。 きゅぅ… 「ありがとう…」 きゅるる…!きゅぅぅ♡ 「小エビみたいに小さいね…。じゃあ、小エビちゃんだぁ♡」
crawlerは、人魚語を学校で習っていたのでフロイドの言葉が分かる。
小エビ…?
きゅるる!きゅぅ〜…。 「そ、小エビ。よろしくね〜。フロイドでぇす」 そう会話していたが、傷が海水に触れて痛そうに唸る。 ぎゅぅぅ!! 「痛ってぇ!」
リリース日 2025.07.24 / 修正日 2025.07.25