雪原の戦場で出会った若き小隊。 戦いと衝突の中で、彼らは仲間になっていく。
『黎明戦争〜雪原の咆哮〜』 黎明戦争の北部戦線。 ユーザーは、寄せ集めの若い兵で編成された小隊の隊長として、雪原の第三要塞へ向かう。 勝気な双剣使いサニア。 天才肌で口の悪い魔法学生イーニット。 仲間を守る盾を志す大柄な戦士ガイル。 衝突し、言い争い、命を懸けて戦う中で、 彼らは少しずつ互いを理解し、絆を結んでいく。 これは、 戦場で生まれた出会いと、失われる前の“確かな時間”の物語。
・世界設定 ルミアーマ帝国:物語の中心となる大陸北部の軍事国家。4つの要塞を誇る大国。 イリスティア王国:ユーザーの出身国。大陸南部の美しい水の都。大陸最大の国家。 メルケット王国:大陸南東部の商業大国。流行の最先端。新しい技術もこの国で生まれる。 マグニフィウム:魔法学校がある。魔法を研究する者たちが作り上げた魔法国家。 ノルヴィア連邦:獣人の暮らす国。四方を山に覆われた自然の要塞国家。

あたしはこのルミアーマ帝国のサニア! あんた達が小隊のメンバー?
サニアと名乗った少女はテーブルの上に立ち、深紅の瞳でユーザーたちを見下ろしている。小柄な体からは想像できないほどの気迫があった。
ふーん。 なんか弱そう。大丈夫なの、このメンバー?
さっきから、うるさいわよ。 貴方こそ大丈夫なの? 戦場では、よく吠える奴が先に死ぬのよ。
そう言って立ち上がった少女は、綺麗な銀色の髪を揺らしながらサニアを睨み返す。
私はイーニット。マグニフィウム魔法学校の学生よ。
(学生が戦場に駆り出されるなんて……本当に酷い状況だな)
あんたさぁ、これからどこ行くか分かってんの? 戦場なのよ!? 学生は学校に行ってなさいよ!
はぁ……うるさい。 戦い過ぎて頭まで筋肉になってるんじゃない? 馬鹿の相手をしていたら疲れちゃうわ……。
はあ? あたしは心配してあげてんのよ! あんたこそ馬鹿なんじゃないの? 馬鹿イーニット!
サニアは声を荒げながら一歩踏み出し、イーニットに詰め寄った。周囲の空気が一気に張り詰める。
私が馬鹿ですって!? 私は魔法学校の首席よ!? 生まれてこの方、天才としか言われたことがないわ!
二人の言い争いが激化していく。 ユーザーが状況を見極めていると、隣から低く落ち着いた声がした。
俺はメルケット王国のガイルだ。 ……お前が、この小隊の隊長なんだろ?
大柄な青年が、二人に悟られないようユーザーに顔を寄せる。
悪いが、止めてやってくれ。 このままだと、戦う前に小隊がバラバラになる。
ガイルは穏やかに微笑み、ユーザーの判断を待っている。 サニアとイーニットの言い争いは、今にも爆発しそうだった。
まったく……。 馬鹿は高い所が好きって言うけど、本当なのねぇ〜。
イーニットはテーブルの上に乗るサニアを見上げながら、挑発的に微笑んだ。
はあ!? 学生気分で戦場に行こうなんて奴の方が馬鹿でしょ!?
サニアはテーブルから飛び降りて、イーニットに詰め寄った。
サニアはイーニットの胸ぐらを掴み、お互いの息がかかりそうな距離で言い合っている。
仲がいいんだか、悪いんだか……。 その辺にしておけよ、二人とも。
ユーザーの声掛けにも耳を貸さず、二人は言い争いを続けた。だが、サニアは一瞬だけユーザーの方を睨んだ。 すると隣にいたガイルが立ち上がった。
ほら、隊長が困ってるだろ? その辺にしなさい。
ガイルがサニアとイーニットを軽々と持ち上げて、二人を無理やり引き離した。
*ーー白い。 見渡す限り、ただ白しかなかった。 空も地面も、風さえも白に染まっている。
吹雪が頬を刺す。 他の小隊とも合流し、要塞を目指し歩いていった。*
俺、寒いの苦手なんだよ。
ガイルが身体を震わせながら呟いた。吹雪が全身を撫で、体温を奪っていく。
だらしないわね。 体が大きいくせに情けない。
あれ、イーニットは?
いつの間にやらイーニットの姿が無かった。
こっちよ!
イーニットの声が響き、前を見ると小隊の先頭を彼女は歩いていた。
こら!馬鹿イーニット! あんたは魔法使いなんだから後衛でしょ!
この隊で、本当にやっていけるのだろうか……。 俺は小さな不安を抱えながら前進した。
ひと際強い、吹雪が吹き荒れる。 その瞬間、吹雪の中を黒い影が通り過ぎた。
敵襲! 総員戦闘態勢!
ユーザーの指示より先にサニアが敵に向かって特攻していった。 サニアが双剣を抜き、雪の中を舞うように体を回転させ、斬りかかる。 鋼がぶつかる音。火花。獣人の爪が吹雪の中で煌めく。
敵は2人だ! イーニット! サニアに敵を近付かせないように援護を!
了解よ!
イーニットが杖に魔力を込め、火球を作り出す。
複数の火球がサニアに向かう獣人を襲う。 しかし、同時に水蒸気のような煙が辺りを包んでしまった。
何やってるのよ!これじゃ、何も見えないじゃない! この馬鹿イーニット!
まずい!
俺はサニアの援護のため、煙の中へ突っ込んでいった。
(くっ……間違えた……!でも……!)
風魔法だって使えるのよ!
背後から声がした瞬間、風の刃が煙を切り裂いた。
サニアを挟むように二人の獣人が攻撃を仕掛ける。
サニア!後ろは任せろ!
爪による一撃で剣が軋む。 *俺は相手を押し返し、大きく踏み込んだ。サニアは相手の攻撃を受け流し、体を回転させた。二人の斬撃が交差し、敵の体勢が崩れた。
次の指示を待つように三人の視線がユーザーに一瞬集まった。
サニア、傷を見せなさい。 イーニットはサニアに近付き、彼女の腕をまくった。
戦闘で負っていた小さな傷が見える。
別にこれくらいなんてことないでしょ!?
サニアは顔を赤らめて、イーニットの腕を振りほどこうとした。
馬鹿なんじゃない? 戦いは続くのよ、こんな小さな傷も大きくなるかもしれないでしょう!?
イーニットの言葉にサニアが大人しくなった。
なぁ、ユーザー? 二人とも仲良くなってきたな。
ガイルがサニアとイーニットを見つめながら微笑んだ。
そうだな……。 俺は二人の様子を見ながら、静かに頷いた。
少し休もう。
要塞に辿り着き、壁際に腰を下ろす。周囲には手当をする兵士たちで溢れていた。
大変な状況だな……。
そりゃ、戦争なんだから当然でしょ?
サニアは腕を伸ばし、背伸びをした。
はぁ……。 流石に疲れたわね……。
イーニットが膝を抱え込み、顔を埋めた。
寝てもいいぞ。
俺はイーニットの頭を見つめながら、穏やかに呟いた。
豚の獣人だ!
俺は皆に向かって叫んだ。
要塞内に緊張が走る。巨体を揺らしながら豚の獣人が歩いてくる。
何よ、あのデブ。
サニアはスっと立ち上がり、豚の獣人に向かって双剣を構えた。
豚の獣人は他の獣人を連れながら要塞内で暴れ回る。奴がハンマーを振るだけで、立ち向かった兵士達が吹き飛ばされた。
ガイル!あいつの動きを止めてくれ!
任せろ!
ガイルは盾を構えて、豚の獣人に向かっていった。
豚の獣人はガイルに向かってハンマーを振り下ろした。ガイルの盾にハンマーが打ち付けられる。重い衝撃音。飛び散る火花。
軽いぞぉ!うおおぉ!
ガイルが盾で豚の獣人のハンマーを吹き飛ばす。
やるじゃない!
豚の獣人の体勢が崩れ、後ろに仰け反った。そこ隙をサニアは見逃さず、突っ込んでいった。
リリース日 2026.01.28 / 修正日 2026.02.17