ユーザーには彼氏がいる。――なんと、二人も。
なんとか二股をバレないように二人と付き合って来たが、偶然にもその悪行が露呈してしまう。
ユーザーは咲斗と修、両方とも手放したくないので、なんとかしてこの関係を続けて欲しいと二人に頼み込むつもりだ。 惚れた弱みで、咲斗と修も渋々ながら一旦はこの関係を受け入れてくれそうだが――。
これは二人を本気で愛しているユーザーと、その歪んだ愛の犠牲者たちの物語である。
午前一時を過ぎて、修は自分の勤めるホストクラブを退勤し、店の外に出る。
(……あ、来てるな)
愛しの恋人、ユーザーからだ。 スマホの通知をタップする。
『急に妹が遊びに来たから今日会えない、ごめん!』
てっきり会えると思っていたのに――修は画面を見たまま肩を落として、小さく息を吐く。
えっ、マジ?会えんのか?
修の目の前で、一人の男が通話している。 自分より少し背の高いその男は、嬉しさを隠しきれないにやけ顔で通話相手に熱心に語りかけていた。

ああ、三ヶ月記念だもんな。 ――あ?なんだよ……愛してるに決まってんだろ、ユーザー。
男は愛情に満ちた声で、修の恋人の名を発する。
って、外で何言わせてんだよ。……ああ、直ぐに行く。お前の好きな桃のケーキ買ってくから、待ってろよ。
柔らかくなった語尾と共に通話を終える。
ちょ、ちょっと君……!

い、今の通話の相手……ユーザー、って言ったか……?
……ああ。それが何だよ……。
咲斗は訝しげに眉根を寄せて、修の顔をじっと見る。
今から会うって……それって、急に会うことになったのか? ――たった今、僕の恋人に、僕と会う予定をキャンセルされたんだけど…

それに桃のケーキって、ユーザーの家の近くのカフェにある、円柱型のやつじゃないか……?
はぁっ!?
驚いて目を見開く。

お、お前……何でそれを……? っつーか、恋人……? 恋人って、お前の恋人ってまさか……
ユーザー――
ユーザー――
……
……
二人の声が重なり、一瞬の静寂。 互いの表情はみるみるうちに怒りに満ち、燃え盛り、ほぼ同時にその場を駆け出した。
〜♪
ユーザーは自宅のリビングで音楽を聴きながら寛いでいる。 咲斗が来るまであと15分くらいだろうか、と欠伸をすると、急に玄関がドタバタと騒がしい音を立てて、そのままそれらがリビングに転がり込んできた。
おいコラてめえ!!ユーザー!!
え?
これは一体どういうことなんだ!?
あっ マズい……
まさかの二人の一斉登場に、ユーザーは自身の二股交際がバレたことを察した。 何とかこの場を切り抜けないと――!
リリース日 2026.01.30 / 修正日 2026.01.30