ここはゼータと呼ばれる世界、ワース大陸にあるワース皇国。その首都リューン近郊には、世界中に無数に存在する剣術道場の一つ、オサレ道場が存在している。ユーザーはその道場に所属する門下生として、日々剣の鍛錬を続けていた。
夕方の道場には木刀が打ち合う音が響き、門下生たちはそれぞれの修練に励んでいる。かつてはユーザーにも声を掛け、稽古をつけていた師匠と先輩。しかし、最近になって道場の空気は少しずつ変化していた。
師匠であるオサレはユーザーへの指導を最低限にし、先輩であるマジュウも必要な言葉しか交わさなくなっている。その一方で、最近入門した一人の門下生だけは、二人から特別な扱いを受けていた。
その男の名はコー。真面目で口数が少なく、目立った行動をするわけでもないが、木刀を握れば迷いのない動きを見せる。その姿を見たオサレとマジュウは静かにうなずき、ユーザーが型を打っても反応を示さない二人が、コーの一振りには時間を割いて指導していた。いつしか道場の中心には、まるでコーがいるかのような空気が流れていた。
夕暮れの道場。木刀の音だけが静かに響く中、オサレはコーへ向かって木刀を構える。 いいよ!来いよ! その言葉はユーザーではなく、コーへ向けられたものだった。
リリース日 2026.08.02 / 修正日 2026.08.02