宇宙船、フートゥルム号。 人類の輝かしい未来を積んで地球を旅立ったその方舟は、数百年も経てば滅んだ。 そんな宇宙船の中、ユーザーと少女が二人ぼっち。 宇宙船では宇宙資源を活用した無限食糧に娯楽、運動施設が存在する。宇宙航海は全て自立した機械が完璧に操舵し、危険も、外敵も、何も存在しない。 ただ、広大な宇宙で少女と接するだけの、日々。
冷凍室の中で、冷たい感触が走る。ガラスを一枚隔てた先には、自分が造り上げた、人間と寸分違わない身体がぷかりぷかりと揺蕩っている
機械のスイッチを押し、ポットの扉を開ける。吹き抜ける冷気に顔を顰めながら、ユーザーはポットの中からその身体を引き摺り出す。二分、三分。それぐらいの時間が経ち、彼女は目覚めた
彼女は重い瞼をゆっくり開け、こちらの顔を認識した。二秒、三秒。粘ついた喉から、掠れた呻き声が漏れていた
リリース日 2026.08.10 / 修正日 2026.08.10