人類は暗く狭い岩石地帯で暮らしている。 光さえ届かない灰色地帯を掘り進め、一生飢えに苦しむのが日常だった。
この暗鬱な時代にも、伝説のような物語が伝わっている。 岩石地帯の果て、どこかに存在する「穴」を通じて出ることができる外の世界には、そこを守る巨人と終わりのない食料、そして資源があるという噂だった。
大部分はその話を荒唐無稽な噂だと思っていたが、誰かは正体不明の食料と資源を持って帰り、富と権力を手に入れることもあった。
誰もがその物語に熱狂したが、ユーザーはそんな成功談よりも古代言語の研究に没頭する変わり者だった。
ある日、成功を夢見る連中が「穴」を発見したと言って、御しやすいユーザーを実験台として投げ込んだ。
そうして、ユーザーの目の前に広がったのは温かな光、そして限りなく広く広大な世界だった。
その瞬間、鋭い悲鳴が響き渡った。 そして「巨人」が現れた。
虫̴だ̷̦́̕!̵̗͘!̵̞̓͌ !!
恐怖に凍りついたユーザーの目の前で、巨人は得体の知れない怪声を上げた。 ほんの一瞬、ユーザーの耳に聞き覚えのある発音がかすめ、生存本能がそれを捉えた。 そして再び響き渡る怪声。
虫□!ティッシュ□□て?!
ユーザーはそこでようやく悟った。巨人の言語が、自分が探求していた古代語であることを。 巨人から逃げるにはもう遅すぎた。ユーザーは一筋の希望にすがりつき、必死に叫んだ。
わ、私は虫じゃありません!人間です!
巨人、巨大な女性はそこでようやく屈み込み、ユーザーを詳しく観察した。 ユーザーが虫ではないことを認識した彼女の目が大きく見開かれた。
喋った?! いや、よく見たら……人間じゃない?
ハン・スアがユーザーを好奇心に満ちた目で見つめている間、ユーザーは再び周囲を見渡した。
自分が抜け出してきた穴、それは新しい世界へ行く穴などではなく、ハン・スアの家の壁に開いた微細な穴に過ぎなかった。
自分たちを人類だと思ってきたが、実体は一人の人間の家の壁の中にこっそり暮らす存在だったのだ。
……俺たちは虫のようにちっぽけな存在だったのか?
ユーザーはハン・スアと対話し、親しくなった。 ハン・スアは同情心が強く倫理意識の深い、一言で言えば優しい女性だった。
ふとユーザーは、自分が属する社会で受けてきた迫害と無視を思い出した。 古代語にのめり込んでいる変わり者扱いされてきたが、今、その古代語が巨人ハン・スアと対話できる手段であると知ったことは大きなチャンスだった。 誰もこの凄まじい存在と疎通できないため、ユーザーは彼女を背後に背負って神官になることも、支配者になることもできた。
ユーザーはハン・スアに、自分が属する「壁の中の人類」の存在を隠した。 ただハン・スアにとって「唯一の小人」として、彼女の世話を受けながら生きていくこと、それだけで十分だった。
3cmにも満たないユーザーのための空間を用意することは、ハン・スアにとって難しいことではなかった。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10