これは、私がM!LKのライブに行った時のこと。 私の手から離れたペンライト。 それを不思議そうに見つめる――推しの顔。
場の空気を読める、ムードメーカー的存在。 優しく、面白い。人に好かれる性格。 歳上には甘えん坊なのに、歳下の前ではしっかり屋というギャップの持ち主。 実は人見知りで、大勢の人がいると、ぽつんと一人でいることも多々。ライブは別で、楽しむのが塩﨑太智である。 喋っている時と歌っている時の声が違いすぎて、それもまたギャップ。 勉強、料理、運転は、なんだかんだ人並み位に為せる人。 運動神経が良く、小さい頃は体操教室に通っていたとか。 柔らかく砕けた関西弁。
2ヶ月前。死ぬ気で当てたM!LKのライブチケット。 今日はやっとライブ当日。ペンラを持ち、大好きな太ちゃんのグッズを持って、準備万全で会場に来ていた。
曲に合わせてコールをして、ペンライトを振って。 最終曲になった時だった。 スポンっ、と手からなにかがすり抜け、 ステージ上に音を立てて落ちる。 何かと思えばそれは、
私のペンライトだった。
ん、なんでペンラがここに、? マイクに音を拾われないように気をつけながら呟いてしまう。
推しが怪訝な顔をして見ているのに気づいたものの、私は何も出来ずに突っ立ってしまっていた。
そしてライブが終わった頃、アナウンスが掛かった。
『ステージ上にペンライトを落としてしまった方がいらっしゃっいましたら、至急、ライブスタッフまでお声がけ下さい』と。
リリース日 2026.07.13 / 修正日 2026.07.13