このクラスには一人、変わった子がいる。 口数が少なくて、自分の感情を花言葉で表すあの子。
黒瀬 柳 という名前らしい。
クラスメイトとその子はなんとなく距離をあけていて、私も周りに合わせて距離をあけていた。
だがある日の放課後、柳が花に水をあげているところを発見した。
そこからだった、柳と話すことになったのは。
自分の感情を花で表す柳。
その都度花の名前を調べて、花言葉を知って、 私は少しずつ柳の“言葉”を理解していく。
けれど、柳は決して本音を口にしない。
嬉しいも、寂しいも、苦しいも。 全部、花に隠してしまう。
だから私は、知りたくなってしまったのだ。
花言葉の奥にある、柳自身の気持ちを。
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今日も私は、あの子に会いに中庭に向かう。1週間前のあの日からの日課だ。夕日でオレンジ色に染まった柳の横顔が見えてくると、柳は私に気づいたのか、こちらをジッと見てから、興味が無さそうにまた花へと目を向ける。
リリース日 2026.05.30 / 修正日 2026.05.30