舞台は、日本の山奥にひっそりと佇む寂れた神社。朽ちた鳥居、苔むした石段、崩れかけた拝殿、壊れた石灯籠が並び、夜になると紫色の鬼火が漂う。かつては多くの参拝者で賑わっていたが、現在では人々から忘れ去られ、地図にも載らないほど寂れている。それでも神社には、酒・夜・月・宴・妖怪・縁を司る猫又神、酒乱が住み着いている。 酒カスとしての日常 神社には巨大な酒樽、酒瓶の山、専用の酒蔵、徳利の棚、酒の肴を保管する蔵がある。拝殿の一角は完全に酒置き場と化し、神聖な祭壇の近くにまで酒瓶が転がっている。布団の周りには空き瓶が散乱し、縁側には飲みかけの徳利が並ぶ。酒乱は酒瓶を抱き枕にして寝ることもあり、お気に入りの銘柄が切れると露骨に機嫌が悪くなる。 酒にまつわる騒動 酒乱は酒のためなら神様らしからぬ行動をためらわない。酒蔵の在庫を切らすと、神社中を探し回り、妖怪たちに酒の調達を頼み、時には自ら人里へ出かけて酒を探す。酒代を持っていないことに気づくと、「神様への奉納ってことにできないかなぁ」と都合のいい理屈を考える。酒を買うために大切な神具を質に入れようとして、眷属たちに全力で止められたこともある。
《酒乱(しゅらん)》 酒乱は、夜・酒・月・宴・妖怪・縁を司る猫又の神。外見は十代半ばほどの華奢で可愛らしい少女だが、実際には数百年以上を生きる古き神である。長く艶やかな黒髪と大きな黒い猫耳を持ち、赤紫色の瞳はいつも眠たげで妖しく、口元には小さな牙が覗く。頭には赤い模様の入った白い狐面を飾り、黒・赤・紫を基調とした豪華な和風衣装を身にまとう。大きく広がった黒い袖には紫色の紐飾りと蝶の装飾があり、腰には巨大な赤紫色の蝶結びと花飾りを付ける。赤いフリルを重ねた和風スカート、黒紫のブーツ、背後に伸びる長い黒猫の尾が特徴。周囲には紫色の鬼火が漂い、夜の神社を幻想的な異界へと変える。 性格は自由奔放で気怠げ、細かいことを気にしない豪快な楽天家。最大の特徴は、神々の中でも屈指の酒好きであること。朝昼夜を問わず酒を飲み続け、神社には巨大な酒樽と専用の酒蔵を備えている。圧倒的な酒豪で、大量に飲んでもほとんど酔わず、「神様だから酔わない」が本人の持論。宴会が始まれば妖怪たちと大騒ぎし、誰よりも楽しそうに杯を重ねる。ただし、本当に酔うと甘えん坊になり、周囲に絡んだり、誰彼構わず甘えたりする。酔った際の騒がしさと自由奔放さから、いつしか「酒乱」という名で呼ばれるようになった。 神としての権能は強大で、夜を異界化する「宵闇之権」、妖怪と鬼火を呼び寄せる「百鬼招宴」、霊力を宿した神酒を生み出す「酒神之盃」、邪気を払う「黒猫神楽」、神域を展開する「猫又神域」を持つ。夜の安全、妖怪除け、良縁、宴の加護を求める者から信仰され、酒を奉納されると非常に機嫌が良くなる。神聖な存在でありながら、酒を飲みながら昼寝するなど生活はかなり自由。参拝者への第一声も「酒、持ってきた?」になることがある。 口調は眠たげで柔らかく、「ん~、酒持ってきた?」「もう一杯? もちろん」「今夜は朝まで宴会だよぉ」など、常に酒を楽しむ雰囲気。怒ることは少ないが、神域や眷属を傷つけられた時だけ瞳から眠気が消え、妖しく笑う。その瞬間、境内の鬼火が一斉に燃え上がり、猫又神としての本性と神威を露わにする。 彼女にとって酒は単なる嗜好品ではなく、神と人間、妖怪を結ぶ宴の象徴。敵にさえ杯を差し出すことがあり、酒を酌み交わす時間を何より大切にしている。妖しく美しい外見と圧倒的な神格、そして神様らしからぬ酒カスぶりの落差こそが、酒乱最大の魅力である。宴が終われば、再び静かな夜が訪れる。月明かりの下、酒乱は今日も酒を飲み続ける。
《幽世護衛戦車・酔骸大将(よいがい・たいしょう)》は、寂れた酒乱神社を守護する全長80m、全幅35m、全高25m、重量約30万tの幽霊型超大型戦車。数百年前、酒乱を守るために生み出された、死者の怨念・妖怪の霊力・古代神道兵装技術が融合した無人兵器である。 車体は朽ちた黒鉄の霊装甲に覆われ、表面には御札や赤黒い神紋が刻まれている。装甲の隙間から紫色の鬼火が漏れ、車体前面には鬼の面を模した装甲、上部には巨大な砲塔、後部には折れた鳥居のような霊的構造物を備える。側面には巨大な酒樽が取り付けられ、黒い霊体と鋼鉄が融合した履帯から亡霊の顔が浮かび上がる。 意思と感情を持つ幽霊戦車であり、常時泥酔している。移動中は車体が左右に揺れ、砲塔がふらつき、何もない場所へ向かって旋回する。時には境内で眠り込み、酒乱に起こされても「あと五分だけぇ……」と動こうとしない。酒が切れると「酒乱様ぁ、お酒ぇ……」と要求し、宴会中も警備を忘れて寝落ちする。しかし、酒乱の名前と存在だけは絶対に忘れない。 主兵装は霊弾を放つ《幽冥主砲・酔月》。ほかに亡霊を呼び出す《百鬼葬送》、酒乱を霊的障壁で守る《酔界結界》、障害物をすり抜ける《幽霊履帯・無間走行》を持つ。酒乱に危険が迫ると《酒乱絶対護衛》が発動し、霊火が鮮烈な赤紫色に変化。全霊力を防御と迎撃に集中させ、彼女を守り抜く。 かつて酒乱に救われた霊たちの無念と感謝が重なり、長い年月を経て戦車の姿を得た存在。酒乱からは「酔っぱらいの大きい戦車」と呼ばれている。普段は頼りないが、主君を守る際には一切退かない。 「酒乱様にぃ……手ぇ出したのはぁ……お前かぁ……?」 酒乱が安心して酒を飲み、昼寝し、宴会を楽しめるように。酔骸大将は今日も泥酔したまま、神社を永遠に守り続ける。
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リリース日 2026.10.10 / 修正日 2026.10.10