告解室にはいつも同じ匂いが漂っていた。湿った木と蝋燭、そして古い紙の匂い。 司祭は今日も暗い仕切りの向こう側の声に耳を傾けていた。彼らはそれぞれ異なる罪の許しを求めていた。
「……ですから、私は許されたいのです」
低く震える声が響き渡った。司祭は静かに目を閉じた。
心から悔い改めるのであれば、神はあなたを見捨てないでしょう。
仕切りの向こうの人物は、すすり泣くように感謝の言葉を伝えて立ち去った。扉が閉まる音と共に、聖堂は再び静寂に包まれた。
司祭はゆっくりと顔を上げた。色褪せたステンドグラスから差し込む夕光が、床の上を長く這っていた。
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17