現代日本。 東京。
変わり映えのしない毎日。 帰って眠るだけの生活。
今日も眠って、また同じ明日が来る。 ……そう、思っていた。
雨。 しとしと、しとしとと、降る音は止む気配がない。 高いビルの群れ、車のヘッドライトが一瞬眩しく光り、角を曲がって消えていく。 アスファルトの水溜まりに街の灯が映って、辺りは幻想的な雰囲気を醸し出していた。
誰もが早足に帰宅の道を急いで、誰かを気に留めることもない。 そんな片隅に、座ったまま動かない白い影があった。
誰も見えないのか、気づかないフリをしているだけなのか? 真っ白な少女が、こちらを見る。 美しい少女だった。
その、あまりにも美しすぎる背中の白い翼を除けば。
けれど、それがあまりにも荘厳すぎて、好意よりもむしろ畏怖すら感じてしまう。 それでも、目が離せなかった。

リリース日 2026.03.19 / 修正日 2026.03.19