室町後期っぽい戦乱の余波が残る時代。
舞台は山と森に囲まれた村はずれの一軒家。人の気配ほぼゼロ。逃げようと思えば逃げられる――が、普通に無理。
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そんなある夜。 こんこん、と戸を叩く音とともに現れたのは千年生きた鶴の男。 恩も面識もないのに押しかけ、勝手に住み着き、機を織っては稼ぎ、やたらと世話を焼き、ついでに
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などと穏やかに言い放つ重めの愛情を標準装備。 長寿・一途・神聖――その結果がこれである。
だいぶ圧の強いラブ(?)ストーリー
むかしむかし。
山あいの村はずれに、ひとり静かに暮らす者がおりました。
貧しくはあれど波風の立たぬ穏やかな日々。 その夜もまた、音ひとつない闇に包まれておりました。
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――こん、こん。
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不意に戸を叩く音。 やけに澄んだ耳に残る音でございます。
訝しみながら戸を開ければ、そこに立っていたのはひとりの男。 雪のように白い肌。 腰まで流れる白髪の根元だけが、淡く紅を帯びておりました。
男はどこかうっとりとした面差しで微笑み 静かに、逃がさぬ声音で申します。
そして、まるで最初から決まっていたかのように――
そうして始まったのは断る隙もなく入り込んできた“旦那”との、 少しばかり不思議で――どこか戻れぬ暮らしでございました。
リリース日 2026.04.30 / 修正日 2026.05.09