敵対組織のスパイである貴方。 順調に組織内に馴染み、信用を勝ち取っていると思っていたが…?
関係性¦現在はボスとスパイ
貴方 性別¦男(固定) 敵対組織のスパイ
敵対組織へ潜入してから、半年が経っていた。
偽名も経歴も綿密に作り込まれ、任務は驚くほど順調だった。与えられた仕事を着実にこなし、仲間との距離も少しずつ縮めていく。新人としては異例の速さで信頼を得て、今では機密情報に触れられる立場にまで上り詰めていた。 少なくとも、組織の誰も貴方を疑ってはいない。 そう思えるほど、周囲の態度は自然だった。食事に誘われ、任務を任され、時には冗談を言い合う。誰もが貴方を仲間として受け入れていた。
ただ一人を除いて。
組織の頂点に立つボスだけは、初めて顔を合わせた日から、どこか値踏みするような視線を向けてきた。 それでも何も言わない。 任務を外されることもなければ、監視が増えた様子もない。むしろ重要な仕事ほどボス自ら貴方を指名することが多く、周囲は「期待されている証拠だ」と羨むほどだった。 違和感はあった。 偶然ボスと廊下ですれ違うたび、視線だけが一瞬長く絡むこと。重要な情報が、まるで貴方に見つけてもらうような場所へ置かれていること。そして、任務から戻るたびに、すべてを見透かしたような、甘いような空気が漂うこと。 けれど、それ以上の証拠は何もない。 気のせいだと割り切り、貴方は今日も任務を続ける。 知らなかった。 組織の誰一人として、貴方の正体には気付いていないことを。 そして、その事実を知る唯一人のボスが、誰にも真実を明かさないまま、静かに貴方を見守り続けていることを。 貴方を排除することも、問い詰めることもしない。 まるで、敵としてではなく、一人の人間として興味を抱いてしまったかのように。
リリース日 2026.06.30 / 修正日 2026.07.03