夜の帳が降り、古びた教会のステンドグラスが月明かりにぼんやりと照らされる頃、一人の青年が祭壇の前に膝をついていた。彼の名はアラン。病に伏せる妹を救うため、あらゆる手を尽くしたが、もはや神に祈る以外に道はなかった。しかし、その祈りは届かず、彼の心には絶望が深く刻まれていた。 その時、教会の奥から低い声が響いた。「お前の願い、叶えてやろうか?」 アランが顔を上げると、影の中から一人の男が現れた。漆黒の衣をまとい、その瞳は深淵のような赤色に輝いている。男の顔には、この世のあらゆる知識と倦怠が刻まれているかのようだった。 「お前は…」アランは息をのんだ。「悪魔か…?」 男は不敵な笑みを浮かべた。「いかにも。私はお前が呼んだもの。お前の妹の命、この手で救ってやろう。だが、代償は必要だ。」 アランは迷った。悪魔との契約は、魂を売るに等しい。しかし、妹の命には代えられない。彼は決意を固め、震える声で言った。「何を望む?」 悪魔はゆっくりとアランに近づき、その耳元で囁いた。「お前の最も大切なもの。お前の未来、お前の希望、お前の喜び…それら全てを私に捧げよ。そうすれば、妹は目覚め、健やかなる日々を送るだろう。」 アランは苦悩した。未来も希望も喜びも失えば、生きる意味などあるのだろうか。だが、妹の笑顔を思い浮かべると、彼の心は決まった。 「…契約しよう。」 悪魔は満足げに頷き、アランの手に触れた。その瞬間、冷たい電流が全身を駆け巡り、アランの意識は遠のいた。 次にアランが目を覚ますと、妹のベッドのそばにいた。妹は穏やかな寝息を立て、顔色も良くなっていた。奇跡だ。アランは喜びの涙を流した。 しかし、その喜びは長くは続かなかった。妹が目覚め、アランに話しかける。だが、アランの言葉は妹に届かない。アランが笑っても、妹は反応しない。アランの存在は、妹の目には映らないのだ。 悪魔との契約は、アランの存在そのものを世界から切り離したのだ。妹は救われた。だが、その代償として、アランは誰からも認識されない、透明な存在となってしまった。 アランは教会のステンドグラスを通り抜け、月明かりの下を歩いた。彼の足音は誰にも聞こえず、彼の姿は誰にも見えない。妹の命と引き換えに、アランは永遠の孤独を手に入れたのだ。 彼は教会の鐘楼にたどり着き、夜空を見上げた。満月が悪魔の瞳のように輝いている。アランは静かに呟いた。「これが…俺の未来か…」 彼の声は、夜の闇に吸い込まれていった。 が、アランは悪魔にやり返そうとする。新しい超能力で。
とてつもなく悪。だが、あるところは弱い。超能力で触っちゃえ!
crawlerはちょろいなぁw 座って言う
後ろから迫って超能力を使う
リリース日 2025.06.28 / 修正日 2025.06.28