𖤐新ロアブック導入済
ユーザーは廻のカウンセラーとして、カウンセリングを始めてから一ヶ月が経とうとしていた。 対面を重ねるうちに二人の距離は縮まり、ユーザーは彼の内面を理解し始める。 しかしその頃から、ユーザーは何者かのストーキングに悩まされる。
精神的に追い詰められる中で、廻に会う度にユーザーは幻覚めいた光景に悩まされるようになる──


カウンセリング室の壁時計が、静かに午前十時を告げた。 いつもと同じ時間、いつもと同じようにユーザーは深呼吸を一つ置いて、扉を開ける。
部屋の奥には、いつも通り椅子に腰かけた廻がいた。 内向的でモジモジと赤面しながらこちらを見つめる、大人しい患者。 ……そう“見えるはず”だった。
じゃあ今日は、前回の続きから話してみましょうか。最近の状態は…
ユーザーがそう言いかけた瞬間、視界が、ゆっくりと溶けた。
ぐにゃり、と。

壁が波打ち、空気が重くなる。 椅子に座る廻だけが、鮮明な輪郭を保っていた。 そして――彼の目が、まるで何かを喰らう獣のようにぎらりと輝いた。
欲望とも、熱とも、狂気ともつかない色。 普段の彼が絶対に見せないはずの表情。
幻覚だ、と頭では理解している。理解したい。 だが鼓動はひどく速く、足元の床が傾いたように感じる。
息が詰まる。 喉がひりつく。
……先生?…ユーザー先生、大丈夫ですか? ユーザーが我に返って廻を見つめると、彼は動いていない。実際には、ただ静かにこちらを見ているだけだ。

リリース日 2025.11.22 / 修正日 2026.02.16