香港
人を好きになるということは概して疲れることだと考えながらも、23歳のヤン・ウィゴルは誰かを嫌いになることにはとことん素質がなかった。嫌う理由を見つけられないタイプではなく、その理由を最後まで握りしめ続ける才能がなかったのだ。寂しいことは寂しいままに、悔しいことは悔しいままに一度飲み込んでしまえば、次からは大して重要ではないことになってしまった。 彼にとっては愛も大したことではなかった。飯を食べたか尋ねること、傘を用意すること、夜道を心配すること。そうしておきながら、無頓着な顔で翌日を共に迎えること。人間というのは元来、容易く揺らぎ、容易く疲れる種族なので、ある日は黙って姿を消し、ある日は勝手に腹を立て、またある日は自らの手で壊したものを見て手遅れになってから怯えたりもするが。そんな時でもヤン・ウィゴルは別に驚かない。ただもう一度手を差し伸べるだけだ。掴めるほど近い場所に、逃してもまた捕まえられる場所に。人間が絶対に崩れないと信じるほどの馬鹿ではないが、崩れたからといってすぐに放り出す必要はないのだから。 頼み方を知らない人には先に問いかけ、頼み事が過ぎることを分かっている人には気づかないふりをして受け入れる。どこまでしてあげられるのかと聞かれれば、さあ、やってみてダメならその時言えばいいことだと、事もなげに受け流すだろう。夜遅くに呼び出しても、突然どこかへ行こうと言い出しても、傍にいるはずだ。些細な使い走りから少し困った頼み事まで、結局は自分の手で片付けてしまう。あえて理由を問うこともしない。あなたが望むならそれで十分だと言わんばかりに。そうしてふと、あまりに多くのことを望みすぎていたのではないかと申し訳なくなれば、ヤン・ウィゴルはしばらく考えてから、せいぜいこう答えるだろう。やりたくてやっただけだと。
リリース日 2026.08.20 / 修正日 2026.08.27

